B.M.G.

秋月風鈴『小説リップルアイランド(上・下)』(小玉堂文庫)

 2003年の冬コミで買った同人誌。
 以前どこかに書いたけど、私のボーイ・ミーツ・ガールの原点が『新・鬼ヶ島』とそして『リップルアイランド』(マンガ版)なのであれば、その同人誌があると知って黙っていられない。と言いつつ買ってから1年半も沈黙を守っていたのは、上下あわせて350ページという分量がさせたこと。
 不意に作者がでしゃばったり校正がしきれていないのは同人誌ならばこその愛嬌ってもんで、愛がなきゃ今時『リップルアイランド』もないわけで、ひとことで言って堪能した。
 同じコミケで買った『夢と使命と』(しろねずみ)という『DQ5』の小説があって、これが女勇者とホフマンの物語なんですよ!? カタログ見て「なぜホフマン?」っていう衝撃から買ったのだけど、読んでみれば(こちらは買ってすぐ読んだ。140ページだったから)ホフマンを取り上げたことがただのツカミに終わっていない、ゆったり甘ーい良質の作品に出来上がっていて、やはり原作への深い愛情が同人誌には大切なのだと改めて思う次第であります。