「到る処の悪左衛門」

貝獣物語』(ナムコ/FC)

 発売当時に購入してクリアに至らなかったゲームをクリアしちゃおうシリーズ! と書いてみたけど、そんな話題今まで他にしていなかったらしい。ともあれ『貝獣物語』をクリアした。
 キャラが可愛い(名前からして「クピクピ」「ポヨン」「バブ」って可愛いにもほどがある)のと、4人の勇者がばらばらの地から結集していくという設定がとても気に入って買ったのだけれど、全員合流してサンドラット(アイテムを乗せて運ぶための動物。持てるアイテム数が増える)とボートを手に入れた辺りからが辛くて放棄したのだったと思う。
 今回再挑戦してクリアしたけれど、やっぱり中盤は辛かった。4人揃うと入る経験値が1/4になるので、普通に進めているとすぐレベルが追いつかなくなって経験値稼ぎに時間を割かなければならなくて。ファットバジャー城(ラストダンジョン)内はこまめにキャラ交代することでエンカウントを免れていけば容易に攻略できた。クリアレベルは16前後。

泉鏡花作『草迷宮』(岩波文庫

 せっかく泉鏡花づいてきたので。これで手許にあるものは全部読み終わった。
 語りが語りを引き継ぎながら取り留めのないままに入り組み錯綜してゆくなか、突然登場する悪左衛門と美女によって未来の約束(予言)がなされて終わる、その読後感がなんとも言い得ず妙なんだけどあえて言うと、現在に対する解決が齎されないうえ、予言も当事者でありそれを最も欲すべきところの明に与えられないために、終幕が結末を意味しないことから来るこれは感覚なのだと思う。終幕が結末を意味しない、というより結末ではないことを意味すると言った方がよいかもしれない。あるいはいかなる意味も持たないと言った方が。