「最悪の 生き地獄さ!」

 新元号かっこいい、SFみたい、などの受け止めの数々に気が塞ぐ。

 いくら意味を取り繕ったところで、命令じゃないか、和せしむじゃないか、という指摘は、尤もなことだと半分は思う。

 より本質的には、政治のあるべき姿から自然の有様へと、言葉の表す対象をずらしたことが一番の問題だと感じている。それによって、われわれは元号との関係を強制的に取り結ばれ、元号は、われわれ個々人にまで重くのしかかる物となった。その意味でこそ命令なのだ。次代に響いて止まぬ号令。

 そしてまた、より感覚的には、「令」の◇形の字形がとにかく受け付けない。不安定さにぞわっとする。誰も平気なのか、不思議でならない。新元号を見るたびに、私は「令」の字のひとやねから転げ落ちる思いだ。

 何が有識者かよ。出て来い有識者だよ。