「時間なんて存在しないから」

カート・ヴォネガット・ジュニア;朝倉久志訳『タイタンの妖女』(ハヤカワ文庫SF)

「だれにとってもいちばん不幸なことがあるとしたら」と彼女はいった。「それはだれにもなにごとにも利用されないことである」
(p.330)

爆笑問題のススメ』の最終回で太田光が熱弁を振るっていた時に買ってしばらく放置していたものを、川上未映子が「人間女子一生の仕事」云々と書いていたので読み始めて、そして今日読み終わった。
 マラカイと、ビアトリスと、ふたりの息子クロノは、なんと立派に生きたことか、とか。ラムファードはこのエピローグ部をしらないままに太陽系を去ったのだねえ、とか。
 カート・ヴォネガット作品を読むといつも、希望のような、虚無感のような、虚無感のような希望のような、そういった何かが私の中に生まれると言うことです。