2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

中野唯物園

『時をかける少女』 22日に見に行ってたのだけど書いてなかった。 あの野球場は哲学堂公園だとネットで見かけたので、そのメモだけ。去年哲学堂公園に行った時にはまさか映画の舞台になるなんて思っていなかったものだから、グラウンドまでちゃんと見てなか…

「 ねー、ジャンポールーー」

ドナルド・D・パルマー;澤田直訳『サルトル』(ちくま学芸文庫) ゴシックの活字とサルトルの写真・イラストが犇いて暑苦しい。 10年ほど昔のこと、他者のまなざしによって自己が同定されることの気持悪さ、みたいな事をずっと考えていた時期があったのだけ…

お猿さんだね! モジョ・ジョジョくん

夏新番(抄)その3、『出ましたっ!パワパフガールズZ』 浦沢義雄のギャグヒーローものってことで、タイトルの言葉の並びなんかまんま『ごぞんじ!月光仮面くん』なんですが。『月光仮面くん』や『はなまる王子/キング』の面白さに萌えまで加わったら、百…

Sugar, spice and everything nice

吉本隆明『言葉からの触手』(河出文庫) 普段は見ない河出文庫の棚を書店で眺めていたら、こんな本があったのだなあと思って購入。半分くらい読んだ。難解で1割も分かった気がしないが、ここに吉本隆明の批評の言葉・詩の言葉の秘密がいっぱい詰まっている…

アニメはメディア芸術

夏新番(抄)その2、『まもって!ロリポップ』 キャラの同一性を頭の中で確保できない。 シークエンスとして見られない。 カットが変わるたびに心拍数があがる。 なんとか処理しようと脳が悲鳴をあげる。 そして最後にゃ音をあげる。 「私は拒絶する!」と…

ちょこちゃんが踊る お尻ふりふり

夏新番(抄)その1、『ちょこッとSister』 今期は新番組に対するコメントは適当に流していきます。で、『ちょこSis』。 こでらかつゆきが結構コンテ絡んでるっぽいので見続ける予定。EDは鈴木典光でノーマッドで、要するに『G.A.』なわけですが、でも先に連…

「ばたーっ、ばたばたばたばたばたーーっ」

『SoltyRei』 GyaOでの放送もとうとう最終回を迎えた。 5年後の後日談に加えて、さらにいつか未来の再会の場面まで描くなんて、サービスしすぎのようにも思う。歌が聞こえたかと思ってそっちを見に行こうとしたらずっと壊れてた柱時計が突然直って鳴り始め…

だれかがどこかにいて俺を呼んでいる

NHK杯テレビ囲碁トーナメント1回戦第16局 神田英九段vs万波佳奈女流棋聖(解説:柳時熏九段)、いよいよ今日です。 万波女流棋聖が快勝する姿が全国のお茶の間に流れ供されるだろうときっと信じています。 『ポケットモンスター ミュウツー!我ハココニ在リ…

「育ちて樹となれ。」

『太宰治全集 5』(ちくま文庫) 読了。この巻は昭和17年1月からの作品が収録されている。戦時下の文壇における太宰の活動・立ち位置というのはよく取り扱われるテーマだけど、あまり興味はない。ただ、第二書下し長篇「正義と微笑」はじめ、この第5巻は…

「こは作品よりの逸脱にあらず、作品そのものなり。」

ロレンス・スターン作;朱牟田夏雄訳『トリストラム・シャンディ』(全3巻/岩波文庫) この夏の岩波文庫一括重版で10年ぶりの増刷。これを逃したらまた10年後かと思えば何をおいても買わねばなるまい。岩波の思う壺だよ。近々復刊されるのではないかという…

たとえば、春のようなもの

太宰治「待つ」 太宰治 待つ(青空文庫) 文庫ではわずか4ページの掌編。亀の歩みで読み進めている『太宰治全集』もついに第5巻に突入して、この作品にぶち当たって、ドキッとしたり、ザワッとしたり、とにかく何度も読んだ。どうにもやるせない。完璧じゃ…

遅延する僕、遡行する彼女、迷走する僕ら

竹宮ゆゆこ『わたしたちの田村くん』(全2巻/電撃文庫) 第1話のトラック周回が結局全てを象徴していたのだなあと、読み終えてみると分かる仕掛け。あと月と。本当ははじめからあからさまに分かる。何度も分かる。 地の文に時折現れる「〜なんだ」という…

「すまいとばし思うて?」

『太宰治全集 4』(ちくま文庫) 読み終わった。この巻でまず注目すべきは、「愛と美について」の姉妹編「ろまん燈籠」と初の書き下ろし長編「新ハムレット」、あとは「千代女」「風の便り」「東京八景」というところだろうか。しかし全体的に低調のような…