2012-01-01から1年間の記事一覧

「おらやんだ、おら、茂吉すきだもの。」

松谷みよ子『松谷みよ子童話集』(ハルキ文庫) 冷たい、ひんやりした風がふき、おゆうさんは、はっと目をさましました。そして、白い霧の中に起きなおりました。チュッ、チュッ、すずめの声がします。ふりかえると、お地蔵さまのれんげの台の上に、三羽のす…

顔も長くなってるはずよ! きっと きっと きっと!

田辺聖子『舞え舞え蝸牛 新・落窪物語』(文春文庫) ここにも一人のみなもちゃんがいるよと教えられたので読みました。みなもちゃんって、伊吹みなもちゃん。 「でも世間には、ちょいちょい、あるんでしょ。親の知らぬうちに、美しい公達が、姫君を盗みにく…

「この世でたったひとりのネコを超えたネコ」

久川綾『decade』 このアルバムさえあれば久川綾の初期10年間を縦覧(縦聴?)できるようだぞ、というわけで買ったのはもうかれこれ3ヶ月ほど前になるのですが、而来再生を始めてもきまって「ダイナマイトCAT」まで来たところで1曲リピートにしてしまい、…

低年齢化する nice boat.

ミルホ、スクイズ、あずきちゃん 昨日、ミルキィホームズの平安神宮奉納ライブに行く前に「缶詰にされて全話流されたら『School Days』見てもよいよ」なんて言ってたら、さっそくその晩缶詰にされたので全話見ました。 流されやすいというよりも、流れそのも…

「かな~」「めま~」

『魔法少女まどか☆マギカ』#3まで 気がつけば劇場公開まであとひと月を切っているようなので、あわててTVシリーズを見はじめました。 絵柄だけでしか知らないなか勝手に育ってきたイメージと、実際の声が全然違って当惑しています。キュゥべえが小桜エツ子…

「それが冒険なのか危険なのか陰険なのか探検なのか」

ダイアナ・コールス作;ロス・アスクィス絵;グループ ウィメンズ・プレイス訳;横浜女性フォーラム監修『アリーテ姫の冒険』(学陽書房) (……)でも、自分の娘を宝石とひきかえに、ボックスに売りわたした父親のことは、けっして許そうとしませんでした。 …

君はオリジナル

シナリオえーだば創作術 だれでもできる脚本家 ときどき足踏みしながらも、1年近く掛けて読み通した。 足踏みをした理由はいくつかあって。ポケモン映画のなかでは僕は『ルギア爆誕』が一番好きなのだけれど、この作品の脚本上のミスについて触れられるあた…

Mへの手紙

4月に観た映画(2本) 4/8『ストライクウィッチーズ劇場版』 序盤の、赤ズボン隊登場から「むじゅむじゅする」までのシークエンスがこの映画の面白さのすべてで、残りの部分については来るべき第3期へのつなぎ、導入編、という以上の何ものでもないと感じ…

透明な過去の駅の石つぶて係

茨木のり子『詩のこころを読む』(岩波ジュニア新書) 透明な過去の駅で 遺失物係の前に立つたら 僕は余計に悲しくなつてしまつた (谷川俊太郎「かなしみ」) 本書でまず紹介されるのが谷川俊太郎の「かなしみ」で、この詩について茨木のり子は「この詩のな…

ザイルに死す

『氷菓』#11「愚者のエンドロール」 こんなのなんとか先輩の案じゃない! とかいうようなことでなぜこうまで痛烈に主人公は問い詰められているのか。蔑むことさえできないとばかりの憐れみの目を向けられているのか。期待した自分がバカだったなんて思いた…

よるよるよるむーん

『ヨルムンガンド』 今日は『ヨルムンガンド』について何か書けそうな気がする! と思ったのが早1週間も前のことで、ぼんやり過ごしているうちに第1期最終話を迎えてしまいました。何か書きます。 * 『キルミーベイベー実践編』来たよ、ソーニャちゃんか…

「しかもリッチコンソメだー」

『夏色キセキ』#8「ゆううつフォートリップス」 東京が近づくにしたがって4人の作画が崩れていくのは、下田界隈ではかわいい4人も東京では大したことないいなかっぺのお上りさんにすぎないんだという演出意図のためだと思ってはどうでしょう。大したこと…

「なにっ、コロシ!?」

#HTTの曲名のうしろに「殺人事件」をつけたら殺人事件になる というハッシュタグを思いついたんだけど、twitterでハッシュタグを使う趣味がないのでこちらに書きます。ダイアリー読者のみなさん、おめでとうございます。 以下、例をいくつか。 「ふでペン〜…

「フッ…」

大倉らいた『センチメンタルグラフティ〜約束』(角川スニーカー文庫) 読書メーターの著者グラフが、普通にやってると漫画家の名前で埋め尽くされてしまったので、これではいかんと奮起して、最近もっぱら大倉らいた作品ばかり読んでいます。5冊まで読んで…

「コシ!タン!タン!」

映画3作 GW前後にバンダイチャンネル月額契約者限定で公開されていたので、『ルー=ガルー』『トワノクオン』『ブレイクブレイド』を見ました。『トワノクオン』が特殊な能力に目覚めた者の苦悩みたいなものを描いている一方、『ブレイクブレイド』は当たり…

「ぼくたち地球人」

大山のぶ代『ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話』(小学館) いまはむかし、いわゆる『新ドラ』のドラえもん役が水田わさびに決まったとき、「その手があったか!」と膝を打ち、その瞬間から彼女を応援している私です。と同時に、『旧ドラ』…

「どうもあひる声だと思ったよ」

『プリンセスチュチュ』#1~2 4月中で月額見放題から外れるという話なので、しばらく放置してたバンダイチャンネルのアカウントで『プリンセスチュチュ』を見はじめたら、冒頭のナレーションからOPまでの流れでちょっと息がつまる。岸田今日子、岡崎律子…

伝説の戦士ダッケ

3月に観た映画(2本) 3/8『映画ドラえもん のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜』 いいか、約束っていうのはなあ……という冒頭のパパのお説教は、もっと何気なく言われたほうが、やがてそこから何かを感得するのび太というものが映えるのではない…

ホログラム

清浦夏実「ホログラム」 せっかくですから少しだけこの歌について。 机の上で生まれた世界 一番先に君に見せたかった 空っぽの部屋そっと抜け出して 走り始めてた (清浦夏実「ホログラム」) ふつうに考えれば、抜け出すことによって部屋は空っぽになるので…

「僕のすべて 君がくれた道」

『ファイ・ブレイン 神のパズル』#24「永遠の存在」 はじめこそたこ焼きデートみたいなことしていても、いつしか二人のデートはパズルデートになっていく。それはもうどうしたって二人の自然がそうさせたようでもあるし、ルークがそう仕向けカイトがそれを…

「マクンバかました女の子」

デカルト;小場瀬卓三訳『方法序説』(角川ソフィア文庫) 岩波文庫の落合太郎訳のは読んだことがあるのだけれど、せっかく灰村キヨタカのカバー絵なので、新たに買って読みました。といっても『とある魔術の禁書目録』とかよく知らないんですがね! かつて…

月と狂気と自由恋愛

2月に観た映画(3本) アニメじゃない映画のほうがたくさん見てた。3本中だけど。 2/2『月光ノ仮面』 板尾創路と浅野忠信の、主演の二人の言葉の交わさなさが、異様なようでいながら信頼感に満ちてあたたかく、そのあたたかさがやはり異様で。同一人物と…

すこしふしぎ

藤子不二雄A『まんが道』(全14巻/中公文庫コミック版) また昨年末の話なのですが、『21エモン』のDVD-BOXを買いました。それはそれとして、年末年始は『まんが道』を読み暮らしていました。 『まんが道』には、その時々に足塚くんたちが執筆している作品…

「私にもできる何かを 探してる」

1月に観た映画(5本) ひと月単位で記録すればもれなく感想書けるかも知れないという試み。 1/1『劇場版イナズマイレブンGO 究極の絆 グリフォン』(3D) 1作目と違って総集編に時間を割かなかった分、最後の試合にこれでもかというくらい見せ場を詰め込…

「やっとむかいあえましたね。」

12/28◆高垣彩陽ファーストコンサートツアー「Memoria×Melodia」大阪公演 チケットが完売していないという風聞で、公演の一週間前にまだチケットが余っていたら買おうと決めていたら買えてしまったので、嬉しいやら悲しいやら仕事どうすんだやら、ともかく行…

「なるわ! たくさん詰めこんだもの!」

去年見た映画 1/16『マルドゥック・スクランブル 圧縮』 1/22『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』 3/6『映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団〜はばたけ 天使たち〜』 3/7『劇場版マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜』 3/21『ジャンプHEROESfilm』(…

いざや夢見る東京遠征

12/18◆トークイベント『湯山邦彦監督、首藤剛志を語る』 行ってました。去年の話ですいません。今後もしばらくは去年の話を書くだろうことを、あらかじめお断りしておきます。 トークの中身にはあえて触れることしませんけど、Q&Aで、心ある参加者が近頃の…