2016-01-01から1年間の記事一覧

さくらニュータウンではトキドキクジラが空をとぶ

『映画 妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』 アニメ世界と実写世界(毛穴世界)との間を行き来させようという発想の面白さを、損なうことなく一作に纏め上げられていると感じた。『妖怪ウォッチ』の映画として満点の出来と言ってよい…

ミクロの一勇士

『グッバイ、サマー』 旅の終わり、後ろ向きに飛ぶ旅客機について。 あのような不思議さを通過しなければ戻れないような旅だった。ともかくはそう思える。 パリへ帰ることは、今や後退することでしかないのだ、このイメージは成長の結果なのだ、とは考えたく…

春日狂想

『orange』 わさびドラの映画定番ネタで「温かい目〜」というのがある。翔を囲む面々が揃いも揃ってそんな訳知り顔の温かい目をしはじめてからは、とにかくいたたまれない気持ちになった。逃げて、翔、と思った。 作中言われるような形でパラレル世界が分岐…

「う うえは?」

『この世界の片隅に』 11月12日、『この世界の片隅に』を観ました。当地での初日初回は11時10分から、全100席のスクリーンでの上映で、ちょうど半分の50人ほどの客入りでした。 * 「左手で描いた世界のよう」な歪みを表すために、原作者のこうの先生は、実…

「健全に生きてるもん たぶんね ほぼね!」

『今日のあすかショー』小野友樹役名リスト バンダイチャンネルで『今日のあすかショー』を見たのでこんなリストを作ってみました。 #1「パンツ」 サラリーマン、青年、高校生、メガネ、おやじ #2「水着」 不審者、先生、サラリーマン、青年 #3「アイ…

「癒し系」は終わった。これからは「おやつ系」だ!!

小桜エツ子『みなまでゆーな』 収録曲のタイトルを眺めただけでも、「もしものときはそんなに来ない」なんて、くすっと笑ってしまいます。ほんとだな、そんなに来ないな、って。 * ストレートな歌声が、節回しに沿うように捏ねくり回されていく、その快楽が…

「シンゴー、シンゴー」

『シン・ゴジラ』 巨費を投じて作られた渾身の脱力ギャグ映画、という印象。ヤシオリ作戦の間中、あんぐり開いた口が塞がらなかった。そういう方向に面白かった。 最終作戦に当たり、作戦名が長いという矢口に、役所のすることですからと答える統合幕僚長。…

「ぼくだって わかっているんだ!」

藤子不二雄(A)『夢トンネル』(藤子不二雄(A)デジタルセレクション/小学館) 先日、(城端〜)高岡〜氷見へ行き、(『true tears』の聖地と)藤子不二雄の故郷を訪ね歩いてきたので、(A)先生の漫画をぼつぼつ読んでいる。 * 過去の世界で出会った少女・ナ…

「サヨナラサヨナラたくさん言って 元気に元気に出発だ」

『トットてれび』#7(終) トットちゃん(満島)「アラ! アひゃ、百歳じゃない。アラ、あなた、おいくつ? ァネ、おいくつ、あなた?」 トットちゃん(黒柳)「あたしはね、アノ今の今日のあたしです、フフ」 トットちゃん(満島)「ア、ほんと。あなたは…

Mein Vater, mein Vater, und hörest du nicht

『父を探して』 父を探す少年を、未来の彼も、そのまた未来の彼もが後押しした、とも言えるだろうし、未来に亙って父を想う心を持った彼は、その時いつも少年だった、と言ってもよいだろう。ともあれ、全時代が渾然として響きあっている。

「右 右 上 下 うーんそれとも左?」

ケラケラ「ケラケラあっちむいてホイ!」(『リルリルフェアリル』ED2) もとよりアップテンポな曲調が、サビに向けてさらにテンポを加速して盛り上がり、「私が指差す方を向いたら負けよ」と朗らかに歌われるに至る。 あっちむいてホイは勝ち負けのある遊び…

青春の価値、あるいはふわふわ時間

『響け♪ ユーフォニアム』、続・田中あすか先輩のこと いつもは飄々としているあすか先輩、久美子には「仮面」という言葉で語られる、掴みどころのないあすか先輩が、府大会の本番前、久美子にそっと湿っぽいことを言う。 あすか「なんか、ちょっと淋しくな…

「ちょーちょーちょーちょーどうでもいい」

『響け♪ ユーフォニアム』、田中あすか先輩のこと 田中あすか先輩の、人の呼び方をまとめました。(呼ばれた順) 加藤葉月【1年】 君(#1、#2) 加藤ちゃん(#3、#4) カトちゃん(#4、#6、#8) 加藤(#6) 葉月ちゃん(#8)(チュパカブ…

きれいは穢ない、みれぃは語尾。

『マクベス』(2015) 「マクベスは眠りを殺した」という台詞が映画にあったかどうか、昨日観てもう思い出せない。 かねて承知の、起こるべき事どもが繰り広げられるところを、その現場を、無言で見届ける魔女たちのイメージは格好良かった。一方で、ラスト…

「はっ、たいそう早食いの彼女だわ!」

『トットてれび』#2まで 現れるのは七歳のトットちゃん、二十代のトットちゃん、そして百歳のトットちゃん。そのいずれもが、現在に属するものではない。現在は軽快にすっ飛ばされている。しかし、だからといって、現在は軽んじられているのではない。全て…

解放の尖兵

欅坂46「サイレントマジョリティー」 「サイレントマジョリティー」という歌を歌ったのがソロ歌手だったとしたら大した事にはならないのであって、そりゃああなたは声を上げられる側なんでしょとなるだけなのであって。大人数グループが歌い踊ることで狙われ…

生命はなぜ大切か

『仮面ライダー1号』 今この時の、本郷猛自身の口から、俺は死なん、俺は不死身だ、と聞くことできれば、もうこの先、何があっても、何があっても信じて行かれる、そう思えた。 どこにいても、誰を助けても、それは麻由を助けることだったんだ、と本郷猛は…

革命の旗手

GLIM SPANKY「BOYS & GIRLS」 『生誕20周年記念 ビーストウォーズ復活祭への道』のエンディングに使用されている部分だけしか聴いていないで勝手を言うと、AiM「GO!GO!Ready?GO?!」を思い浮かべた。 ヘイボーイ ヘイガール 大人を困らせようぜ 今 ヘイボーイ…

「お名前って、生まれたときに決まってるんじゃないの?」

『劇場版 selector destructed WIXOSS』 蒼井晶を心の中で応援上映会のつもりで観に行ったら、映画自体は、せれくぎゅー ですとらくぎゅっと うぃくぎゅす、といった様相であった。 * 名乗りあう前の知らない二人が、どういう経緯でか出会い、おいしいアイ…

「私は、自分を幸せにしたいから」

『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』 一年半前の下書きが目に留まったので上げておきます。 * 誰かを幸せにするということ、それには、三つのタイプがあると思う。世の中の多くの人を幸せにできる人。自分の周りの、身近な人を幸せにできる人。それと、自分…