「サヨナラサヨナラたくさん言って 元気に元気に出発だ」

トットてれび』#7(終)

トットちゃん(満島)「アラ! アひゃ、百歳じゃない。アラ、あなた、おいくつ? ァネ、おいくつ、あなた?」
トットちゃん(黒柳)「あたしはね、アノ今の今日のあたしです、フフ」
トットちゃん(満島)「ア、ほんと。あなたは?」
トットちゃん(藤澤)「わたしも今日のわたしです」
トットちゃん(満島)「アノコレあたしも今日のあたしなんですけれどもネ、エェ、エェ」
(『トットてれび』#7(終))

 最終回のラストシーン。『ザ・ベストテン』のセットの中で、三人のトットちゃんが、いずれも今日の私として並び立つ。歌われるのは「出発の歌」。
 今の黒柳徹子が『ヤン坊ニン坊トン坊』の歌を歌う、それだけでも感動的だ。しかし、のみならず。現在に収斂したものが、また一気に前へと加速する、そのエネルギーに魅了される。
 過去も未来も、全ての時はその時今で、だからあるのは今の私の出発だけだ。だからといって、懐古も夢想も、無駄じゃない。力になるよ。そう言ってくれているようだ。
 現在がすっ飛ばされている、と以前書いたけれど、このラストシーンを用意するためだったのだと得心した。