2020-01-01から1年間の記事一覧

星をちりばめたマント

ローザ・ルクセンブルク;大島かおり編訳『獄中からの手紙 ゾフィー・リープクネヒトへ』(みすず書房) 昨夜、九時ごろのこと、また一つすばらしい光景を見ましたよ。ソファーに座っていると、窓ガラスにバラ色の反射光がきらめいているのに気がつきました…

「僕の孤独はほとんど極限に耐えられる」

シェリー;小林章夫訳『フランケンシュタイン』(光文社古典新訳文庫) 「(……)おまえがまだ生きていて、おれに対する復讐の気持ちを抱き続けていれば、おれが死ぬより、生きている方が心は満たされたはずだ。だが現実はそうではなかった。おまえはおれを消…

「永遠に 降る雪があるなら」

長谷川宏著『幸福とは何か ソクラテスからアラン、ラッセルまで』(中公新書) 序章にあらわれる、幸福についての導入のための言説の一々に疑いを抱かずにいられなくて。それでも本論に入ればどうにかなるかと思っていたが、序章における著者の見解に軸足を…

「いま!いま!いま!イマジネーション」

『ごっこ』 ヨヨ子が「BB弾!」と言って抓んだBB弾をじっと突き出す、そのたびにボクは「お前はそれ見つけるのの天才やなー」と返す。それは一度として「もうええわ、それはもうわかったわ」などと省かれることがなくて。 このような、決め事のようなやりと…

「背筋をのばして/あなたらしさ ピカイチに磨きなさい」

『わたしは光をにぎっている』 自分は光をにぎつてゐる いまもいまとてにぎつてゐる 而もをりをりは考へる 此の掌(てのひら)をあけてみたら からつぽではあるまいか からつぽであつたらどうしよう けれど自分はにぎつてゐる いよいよしつかり握るのだ あん…