ザイルに死す

氷菓』#11「愚者のエンドロール

 こんなのなんとか先輩の案じゃない! とかいうようなことでなぜこうまで痛烈に主人公は問い詰められているのか。蔑むことさえできないとばかりの憐れみの目を向けられているのか。期待した自分がバカだったなんて思いたくはないんだけどなとでもいうようだ。これが出来なきゃお前に存在価値などないぞとでもいうようだ。主人公の性格を知りつくしてこその発破かけ、なのだろうか。それにしては少しばかり度が過ぎるようにも思うのだが、当人は憐れんでいったきり二度とついには登場しないので、真意のほども計りかねるというもので。
 それにしても阪口大助に憐れまれちゃあおしまいだ! ほかの声優ではこれほどのおしまい感は出せなかったのではないかというくらいおしまいだ! それでも、これで主人公が推理を継続する気を起こせなければ作品自体がおしまいになってしまうところを、その手前で踏みとどまって主人公をしてふたたび謎解きへと向かわせるのだから、阪口大助であればこその説得力、とは言えるかもしれない。そう考えればこのキャスティングのねらいがやっと覗けた思いがした。