電波変換!

No.00002「電波の海原」

電波の 海原
ちょいと 乗り越えて
あなたの お部屋に
花を 咲かせましょう

 ラジオのリスナーとパーソナリティとの関係っていうのは不思議なもので、これほど繋がりの不確かなものはないようでありながら、その不確かさの故に逆説的に最強度の繋がりを持ちうるようにも思える。あるいはその不確かさに託す人の思いの故に。営為の故に。
 さて今回取り上げるのは、ラジオ番組のオープニングとして作られた1曲。やっぱりアニソンじゃないのはわざとです。
「たかが 言葉/たかが 声に/できることがある」という宣言の素晴らしさもさることながら、冒頭引用中「ちょいと」という箇所が、「なあに、そんなのあたしらにゃ簡単なことなんで、ね」と言っているようで、思いがけない嬉しさに泣きたくなる。それこそ「電波の海原」で溺れかかっている者に、圧倒的な神々しさと身軽さで救いの手が差し延べられたような感覚。
 詞の中にパーソナリティの名前(「愛」「ユミ」)が埋め込まれているのも心憎い。
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ラジオ『秘密の天地無用!』OP
歌:折笠愛高田由美
作詞:枯堂夏子/作曲・編曲:藤原いくろう