『ケロロ軍曹』#303「ケロ0 故郷はペコポン であります」
バンダイチャンネルで第6シーズンが月額見放題に入ったので、取り急ぎ「ケロ0」シリーズを拾って見ていた。
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夜の畦道、スクーターの音だけが響く。行路を照らすヘッドライトは、茫漠とした不安の中に、それでも灯したキコの希望だ。
キコ「そっか、なりたいものがあるっていいなあー。あたしは進学も就職も明日からのことは何も決めてない。毎日ずっと退屈だった。学校卒業してもまたあんな退屈な毎日が続くなんて堪えられない。そんなの嫌。だからあたしは……面白いこと探しに行くの」
(#303「ケロ0 故郷はペコポン であります」)
やりたいものなんて、ここにはない、なりたいものなんて、ない、地球なんか飛び出したい、そんな気分を溜め込んだキコが、宇宙船を目撃したら、向かうしかない、わくわくを見つけたのだから、行くしかない。
キコを心ごと攫っていく、宇宙船が駆動する。
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道すがら、ケロロ扮する喋るカカシを、カカシの妖精さんとして受け入れわだかまることがない、そこからしてすでに、キコはワンダーの側に両足もろとも踏み入れていると言える。今日のこの夜の道連れだ。不思議なことは、あればあるだけあっていい。