「決めました、……フルムーンで行きます」

満月をさがして

満月をさがして』のDVDを見せてもらう。
 発売日にも見たのだが、どうにも面白い。しかも奥深い。例えば、篠原みほと違って神山満月に16歳は到来しない、いつか本当のフルムーンになる日を期待する終幕などあり得べくもない。そこで常に不安感が付き纏うのだが、その中でいよいよ彼女は強く輝く、輝こうと精一杯努力するのである。希望に胸膨らむ夢物語なんて要らない。大切なのは今この現実の日々。歌も恋愛も一生懸命。歌を聞いて欲しいなら自分から歌うように、友達だってなりたければ自分から話しかけなければいけない。今すぐに! とまあその辺は原作の力に拠るところだろうから、それを差し引いてなおアニメが面白いのは専ら声優の為であると認めるに吝かではない。

ねぇ 見上げて こんなに広い夜空だから
そう すぐにわかるように
精一杯 輝くから早く
フルムーンをさがして
(Changin' My Life「New Future」/『満月をさがして』ED1)

 この歌詞の「フルムーン」というのは文脈からして自分の事を指している筈なので、フルムーンの一人称は実は「フルムーン」だった事が判明。