「吠えてみせてよデクノボー!」

『MINKYMOMO IN 旅立ちの駅』に寄せる詩

『Heartful Station』だったか『Tokyo Boogie Night』だったかで六七年ほど前に「Bon Voyage!」を掛けた時に、二番が流れている間林原めぐみが朗読した『駅』に寄せる詩というか宣伝というか。『駅』の発売日(6/22/1994)を考えれば七年前という事になるのか。誰が作ったのか、林原か首藤か投稿か、私は知らない。御存知の方は教えて下さい。録音したテープは疾うに失くしてしまったのです。よってそれも募集。
 それにしても私はこれを今でも諳んずる事ができるのです。

 いつも背中で誰かに言われているような
 吠えてみせてよ
 吠えることができないままに終わってしまった人生
 吠えなきゃ旅立てないからね


 だけど
 巡り巡って巡るのは
 終着駅の無い線路


 旅立つことは難しい
 家族はいるの?
 恋人はいるの?
 帰るところはあるの?


 いたらいたで
 あったらあったで難しい


 重い荷物じゃ旅立てない
 帰りを心配したら旅立てない
 走ってますか?
 歩いてますか?
 どこまで行くつもりですか?
 目標は ありますか?


 いつの間にかしょっている重い荷物
 吠えてみせてよ
 背中で重い荷物が叫ぶ


 あの頃戦争があった
 この駅から多くの人が旅立っていった
 そして 帰って来なかった


 待てなかった人
 待っている人
 それぞれがみんな悲しい雨の中で


 ふたりのモモちゃんが出会った少女は
 悲しみの川のほとりにいた
 信じられる 最後のひとつの事も
 川が流そうとしている


 ふたりのモモちゃんは
 もう魔法は使えないけれど
 ふたりのモモちゃんは
 何かを変えようとしている
 大きな力が働く
 世界を 小さな思いで変えようとしている


 OVA二作目のモモは
 ちょっぴりスパイスの効いた大人のお話かな


 何度も何度も 見て下さい
 その度に 違った何かが見えてくる筈です


 今年のあなた 今年のモモちゃん
 十年後のあなた 十年後のモモちゃん
 舞台は駅です
 自分の線路が見えなくなった時
 いつでもこの作品 見て下さい



 ――旅立ちの駅は あなたの駅です


(* ダッシュ(「――」)以降は曲が終わってから。)