『LOVELESS』
アニメ最終話まで。
「名前は大事だよ。同じ名前の二人は、チョー特別なんだ、運命の相手なんだよ。天が決めたかのように、大切なんだよ」
「俺、そういうの嫌いだ! どんなことでも自分で決めたい。誰と一緒にいるかなんて、名前じゃなくて自分で決めることだろ?」
「ヘンな子、素敵なのにぃ」
(#10「NAMELESS」)
思うに、男同士だったり女同士だったりすることは、この世界では全く問題ではない。実際本編中でそんなことが取り沙汰されることはなくて、同じ名前を持つかどうか、大事なのはその一点に尽きる。その中で、名前を失ってしまっても、あるいは異なる名前を持つ者であっても、そのことに抗って意志の力で結びつきうるか、そのような強い意志を持ちうるか。スペルの強さは意志の強さであるような設定も、こうしたテーマの方向付けに寄与していると言える。
とまあこういったこととは関係ないところで立夏くんを好きで好きでしようがない唯子などがいることで、緩急ほどよく仕上がっている。
しかし「LOVELESS」の名を持つ誰かがもう一人いるはずで、彼(彼女)はどうしているのか、原作を読めば出てくるのだろうか。