PANTSLESS

LOVELESS

 アニメ最終話まで。

「名前は大事だよ。同じ名前の二人は、チョー特別なんだ、運命の相手なんだよ。天が決めたかのように、大切なんだよ」
「俺、そういうの嫌いだ! どんなことでも自分で決めたい。誰と一緒にいるかなんて、名前じゃなくて自分で決めることだろ?」
「ヘンな子、素敵なのにぃ」
(#10「NAMELESS」)

 思うに、男同士だったり女同士だったりすることは、この世界では全く問題ではない。実際本編中でそんなことが取り沙汰されることはなくて、同じ名前を持つかどうか、大事なのはその一点に尽きる。その中で、名前を失ってしまっても、あるいは異なる名前を持つ者であっても、そのことに抗って意志の力で結びつきうるか、そのような強い意志を持ちうるか。スペルの強さは意志の強さであるような設定も、こうしたテーマの方向付けに寄与していると言える。
 とまあこういったこととは関係ないところで立夏くんを好きで好きでしようがない唯子などがいることで、緩急ほどよく仕上がっている。
 しかし「LOVELESS」の名を持つ誰かがもう一人いるはずで、彼(彼女)はどうしているのか、原作を読めば出てくるのだろうか。

私はウテナ様の戦闘機ですから

 いざそのような意志を持ってしまうやいなや、今度はどうしたってそのような意志を持たざるをえなかった、持ってしまった者たちの苦難の道行きに重心がシフトする。ちょうどそのタイミングをとらえてアニメは最終回となるわけで、ひょっとして『ウテナ』に似てるかもなあと思ったことを追記しておく。王子様=清明ウテナ立夏、姫宮=草灯、若葉=唯子、あとは適当に。世界の果て=ななつの月? 最後抱き合って何事か言葉を交わし合って、手を取り合って歩み進んでいく二人、という図がそのような連想を働かせたのだろう。
 原作情報有難う。