非-彼自身による非-マンソンジュ

マルカム・ブラドベリ;柴田元幸訳『超哲学者マンソンジュ氏』(平凡社ライブラリー

 ライブラリー版が出たころに書店で見かけて、『鼻行類』と『文学部唯野教授』を掛け合わせたようなものだろうかと思って買って、4年経った今になって読んでいる。
 全編冗句に次ぐ冗句で、個々の記述の真偽などに拘らず楽しく読めばそれでいいのだと思う。もちろん構造主義ディコンストラクションについてある程度知ってないと面白くないだろうけど。マンソンジュの不在に関わるいちいちの但し書きがくせになる。