「科学も魔法も根はひとつなんだよ」

新旧魔界大冒険

 先週「新」を劇場に見に行って、細部の出来はいいんだけどなにか満足できなくて、今「旧」を見はじめたところ。私の感触が確かなら、私の感触はいつだって確かなんだけど、「新」はせっかくの完璧な作品を余計なもののあれこれで上塗りしてしまっている。結果、普通のエンタテイメント作品になってしまっている。
 一体、ネズミとか母子とか、そんな要素を盛り込んだせいで魔界の冒険部分がかなり省略されてしまっているのはどうなのか。最初からスパイ衛星で迷わず魔王の城へって、全然ドキワクしないよ。魔界歴程ひとつを頼りに恐る恐るの足取りで進むのでなくては。
 私にとって全SF、全ファンタジー、全物語、全人生がここからはじまったのであってみれば、贔屓目が働いているんだと人が言えば甘んじて受けよう。甘んじて受けたうえで、そんなことを言うやつは馬鹿だと言ってあげる。