「お前のデッキにしなくちゃな――ハズレかぁ」

遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』#164「受け継がれしサイバー・ダーク・ドラゴン」

 かつてヘルカイザー丸藤亮は、遊城十代にパーフェクトだと称され、だがそれが自らの限界でもあるのだと答えた。お前はそんな限界にとらわれるな、と。
 丸藤翔はカイザーのデッキを受け継いだとき、カイザーのようにデッキを使いこなせないと苦悩した。そんな翔に十代は、デッキの声を聞けと言った。「デッキが何を望んでいるのかよく聞いてさ、お前とデッキとで作り上げていくしか、ないんじゃないか? お前のデッキにしなくちゃな」
 翔がサイコ流とのデュエルの中で自らのデッキの可能性を引き出していくのを目の当たりにしたカイザーは驚いた。そしてまた理解した。ああ、あのデッキは、もう俺の手を離れたのだな。
 僕らは、兄さんも僕もアニキも、これからどんどん変化していけるんだ、変化していくんだ。今が限界だなんてことはないんだ。もう成長しないなんてことは、ないんだ。翔は言った。
 こうしてカイザーのデッキは翔のデッキとなった。
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 たまにこういう真っ当にいい話を挟んでこられては驚嘆させられて、見限るに見限れない『GX』。真仁ちゃん好きさ。