「詩人の死ぬや悲し」

萩原朔太郎作;清岡卓行編『猫町 他十七篇』(岩波文庫

 独逸のある瘋癲病院で、妹に看護されながら暮して居た、晩年の寂しいニイチエが、或る日ふと空を見ながら、狂気の頭脳に追憶をたぐつて言つた。――おれも昔は、少しばかりの善い本を書いた! と。
(p.70「詩人の死ぬや悲し」)

 なんて泣ける。また、「虫」は、鉄筋コンクリートの意味は虫なのだという私的発見を記した掌編。確かに鉄筋コンクリートは虫だし、さらに言えばそれは蟷螂なのだ、と私的に補足しておきたい。

西尾維新新本格魔法少女りすか』(講談社ノベルス

 3巻まで続けて読んだ。今は『助悪郎』を読んでる。「最後の作品」というのが小説と思い込ませて実はそうとは限らないというミスリードなのではないかと恐る恐る読みすすめてる。トリックなんかどうでもよくて本当は恐れていないんだけれども。