「芸術だ! 爆発だ!」

ひだまりスケッチ

 全12話+特別編2話を見た。
 毎回、サブタイトルになってる日付の朝から始まって、その日が終わるとともに回も終わる、という枠組みになっていて、だから入浴シーンが挿入されるのも必然なのでした。ゆのが入浴しながらその日のできことを振り返る、そのとき視聴者もゆったりとした気持ちでその回の楽しかったあれこれを思いやることができる仕掛け。また、日付をまたがないという制約のおかげで、たとえば体育祭は前日の話にとどまり、文化祭の準備の様子はゆのの絵の中に窺い知ることができるだけ、というのも抑制がきいていて良いと思いました。詰め込みすぎないというか、まさしくスケッチ。その中で、青虫とかアパートの表札とか乾燥剤とかの小道具が、回を越えてその縁起顛末が描かれることで、確かに全体を通して流れる時間があるのだということ、たまたまそのうちの1日を垣間見ているのだという思いを新たにさせられる。
 一方で、最終話(第12話)は2日にわたるお話だったり、特別編の2話目のラストには後日談が添えられたりするが、前述のような枠組みが前提にされればこそ、このような破格もまた効果を持ちうるわけで。
 阿澄佳奈の声がときおり『ちびまる子ちゃん』のたまちゃんのように聞こえた。
 気に入った話数は第2話(「ニッポンの夏」)、第5話(「こころとからだ」)、第10話(「ゆのさま」)あたり。話が、ってよりは画的演出的に。