ドリル椅子探偵レーン

悲劇四部作あるいはドルリー・レーン四部作

 エラリー・クイーン読んだことがないなんてのもひどい話なので、意を決して悲劇四部作を読んだ。創元推理文庫のほう(鮎川信夫訳)。
『Zの悲劇』で生意気な小娘が出しゃばってきたときにはどうしたものかと思ったりもしたけれど、のちの『レーン最後の事件』のために必要な布石だったのであって、最終的には良かったと思えた。
『最後』>『X』>『Y』>『Z』の順で好き。作品の出来からいったら『Xの悲劇』、ただレーンの最後を飾るにふさわしい事件の構想というただ一点を高く買ってこの順にしてみた。実際、ハラハラってよりはワクワクしながら読むことができた。そんなわけで『Yの悲劇』がクイーン作品中のみならず全ミステリ中最高傑作との誉れ高いからといっても、やはり通して読むことをおすすめしたい。
 ハヤカワミステリ文庫版も解説だけ今度読んでこようと思う。