藝術の効能

福田恆存『藝術とは何か』(中公文庫)

 藝術の効能はカタルシスなのだということが何度も書かれていた。自己とか自我とか、そういうものを求める心の反対なのだと。そういうものの無化浄化なのだと。とにかくそのことだけが書かれていた。

橋爪大三郎『はじめての言語ゲーム』(講談社現代新書

 話の脱線が目も当てられず、「もっともわかりやすい」と銘打っていながら非常に読みにくかった。
「○○かもしれない」というような憶測を語りはじめておきながら、「でも、まあいい」と締めくくるなど、どうでもいいと思っていることははじめから書かないでほしい(例えばp.172)。