「ぐだぽよ~」

石川雅之純潔のマリア』(アフタヌーンKC

 最新第2巻まで。
 ミカエルは大天使様だから、見えないほど遠くの空から槍の一投で諌めたり、アッと言わない間のコマに裁定下しに現れ来たるの面白い。その騎乗せる天つ馬の、ドドドドドドと蹄音を轟かせるのもまたしかり。
 エゼキエルは迷える子羊すぎる。しかし当然そのことは百も承知でマリアのお目付け役にあてられたのであろうから、すべては御心のまま。

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 あまりに卓出して面白いので、これを見たあとしばらくは「今期のアニメってほかに何があったっけ?」と呆けたようになってしまう。特に「アフレ湖」のコーナーの、あの整理されていない会話はどうだ。幾重にも幾度も言葉がかぶってしまうことを恐れない、そのことだけでも感動にうち震えるほどなのに、その先に光るアドリブの妙。あくまでも台本の面白さの内にとどまった『ミルクチャン』『ポピー』『ファイアーボール』などの不条理系アニメ群とはまた違ったものが、名作が、今まさに生まれつつあるのだと確信する。