空っぽが尊いものに憧れる

劇場版『Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS

 何も知らずに見に行ったら、伊藤美紀の第一声を聞いた瞬間「わーい伊藤美紀わーい」って気持ちになれて最後まで貯蔵充分だった。
「神名」だと思ってたのはプログラムによると「真名」だった。紫の髪の人はよりによって慎二の妹だった。

ひめチェン!おとぎちっくアイドル リルぷりっ』#10「五七五でラブラブ☆ぷりっ!」

「いきいきした物を見ればいいんじゃない、自分がいきいきすることが大切だったんだ! この気持ち 忘れちゃ駄目だ この気持ち! 自らが 輝くことを 忘れてたぁっはっはっはっはっはっはっは」
(#10「五七五でラブラブ☆ぷりっ!」)

 スランプに陥ったなら景気の歌をとにかくたくさん作っていけばいずれ有心の歌が詠めるようになる、という定家先生の教えをそのままアニメにしたようなこれは話ですね。
 Wishが出てこないにもかかわらず「うぃっしゅ〜〜〜」と言わせるあたり、私のニーズがどうやら完全にスタッフに見通されてしまったようです。

南條範夫原作;山口貴由漫画『シグルイ』(チャンピオンREDコミックス)

 単行本で最新14巻まで。初巻冒頭の上覧試合の場面まであと少し。

藤木様
斬ってくださいまし
憎い
憎い憎い伊良子を
(v.1, pp.54-55)

 このように伊良子のことを憎いと内語する三重が提示されながら、しかし回想に入ってみれば却って当初は好意恋慕の情すら抱いていたというところに、この間を埋める一体どんな出来事があったのか先を読みたい気にさせるひとつの仕掛けがあるのだと思う。というか私がそこにしか興味がなかったというだけの話なんだけど。
 士どうしが対峙したとき、相手を斬り殺したイメージがまず先行して、次のページに読み進めてみると実際はまだ切り結ぶ前ですよ、今のはどちらかが見たただのイメージですよ、という順序で描かれることがままあって、元々言葉の少ない漫画だということもあって用心深く読まないとそのあたり読み違えてしまいそうで、なので例えば藤木の無いはずの腕が描かれていはしないか、といったようなことを事実とイメージとを判別するための手掛かりとしながら読んだけれども多分必ずしもうまく理解できてない。