広い海なら 遊べばいーじゃん

迷い猫オーバーラン!』#9「迷い猫、泳いだ」

「うれしかった。海に来て、みんなと遊べて、たのしかった。みんなは?」
(#9「迷い猫、泳いだ」)

 希は本当に猫みたいなやつで、海の映ったテレビをじっと見ているからといっても、隣の猫たちと一緒で何を考えているのか計りがたい。ところが希の猫のようではないところは、「にゃあ」とも言うが「楽しそう」とだって言えるので、慰安旅行で海に行こうという計画も立つことになる。そこで思いつく限りの海の遊びをやりつくして千世に「どう希?」と訊かれた希は上のように答え、文乃は「希の願いが、みんなと遊ぶことだったなんてねー」とこの答えの力点が「みんなと遊べて」の部分にあるのだと捉えたのだが、さて。
 言葉どおり受け取れば、まず端的にうれしかったのであり、海に来られたことがたのしかったのであり、みんなと遊べたこともたのしかったのであり、そうしてみんなはどうだったかうれしかったかたのしかったか知りたいのであって、それが全てなんじゃないかと私には思える。文乃の解釈は文乃の解釈としてあってそれでいいんだけど。
 さてここで問題です。希は猫でしょうか、それとも人でしょうか。未だに私これを解くことできません。うちに来てくれたらきっと答えもわかるのに。よいのに。