「人生という名のライディング・デュエル」

遊☆戯☆王5D’s』#154(終)「光り差す未来へ」

 希望も何もあったものではない下層地区「サテライト」の、うんざりするような重苦しさからこの作品は始まった。その時からたいへんな名作の予感を与えられ、毎週ゾクゾクしながら見続けること3年、とうとう最終回を迎えることと相成ったわけで感慨深い。

「赤き竜、お前は自分の役目を終えたんだな」
(#154(終)「光り差す未来へ」)

 シグナーの証である痣は赤き竜とともに彼らを離れ、チーム5D'sの仲間たちはそれぞれの道を走りはじめ、遊星はひとりネオ童実野シティに残る。チーム5D'sの絆の支柱的存在である遊星が、いつか帰るべき/帰ることのできる場所に、すなわち故郷に、故郷として、存在することは、新しい未来に生きる仲間たちをいつでも強くすることだろう。
 主人公はどこかへ旅立ってしまって残された者たちが残された場所で頑張る、というパターンはありがちだけど、その逆というのはちょっと新しいし遊星らしい。
 最後に遊星とツーショットのいい場面をさらっちゃう牛尾さんが憎い。かっとビングにも登場するんだろうか牛尾さん。