物語からこぼれ落ちて

鍵姫物語 永久アリス輪舞曲』#9「Turtle's Story」

有人「そんなことない。逃避じゃない。それは、救いの物語だよ」
キリカ「救いの……物語」
有人「だって、その物語でキリカ先輩は救われてきたんだよ?! 自分が、壊れないように」
(#9「Turtle's Story」)

 心の物語に囚われているということは、反面、心の物語がその持ち主をアイデンティファイしてもいるのだということ。今あるように存在しうるのは取りも直さず心の物語のためだということ。このような肯定的な捉えかえしからは、しかし今度は、記憶を持たず心の物語を持たないひらがなのありすがこぼれ落ちていくことになる。
 いよいよ佳境です。