小さきもの

ローゼンメイデン』(2013年版)

ローゼンメイデン』の2013年版、いわゆる新アニメ版について語るなら、色彩の良さというものにまず触れなければならないよう思う。
 深く鮮やかで、確かな明度を持ったドール達の色彩は、作中のほとんどを占める暗い背景にも、また明るい背景にも、よく映える。そうしてこのことは、引きの画面で、より際立つ。人間サイズの画面で捉えたときになお、小さいドール達の存在感は損なわれない。いや損なわれないどころではない。我々の目は、この色彩のために容易く強く、ドール達に引き付けられる。
 アリスゲームがただ宿命であり、そこに意味が無いのなら、ドール達の存在は、その強度は、果たして何であるのか。色彩は、言葉ならぬ問いかけでさえあるようだ。