「なぜか慕わしく思えた」

有頂天家族』#5-6

 狸に対する思いの矛盾を、すなわち愛を、熱っぽく語る淀川教授。このような思いに憑かれながら齢を重ねた人は、たしかにこのような声で、このようにも話すであろうと、そう思えてしまえるような、何とも言われない良い演技だなあと惚れ惚れします。父の仇敵でもあるはずの教授のことを「なぜか慕わしく思えた」と矢三郎が言う、その真実味も、この演技があってこそ迫って感じられるものでしょう。
 淀川教授はCV=樋口武彦。