「兄貴は全然駄目じゃないって」

団地ともお』#62b「双子ってどっちが上なんだともお」

 佐山は双子の姉弟だ。勉強も絵も運動も、何でもできる姉・真理と、何にも取り柄のない弟・真雪。
 ところが、実は真雪のほうが先に産まれたのだが一姫二太郎ともいうし何となく、という理由から姉弟にしたのだと、ある日ふたりは聞かされる。
 それからというもの、真理は真雪を兄貴と呼び始める。一方、真雪は真雪で、自分と真理の出来の違いをコンプレックスに思い、真理のことを姉ちゃんと呼び続ける。
 この「兄貴−姉ちゃん」の交差的関係が、規範的な姉弟/兄妹関係へと引き戻されないで終わるのが妙味。ふたりの関係はふたりに任せよ、なのだ。