人生の席

『呪術廻戦』#24「共犯」

 釘崎が人生の席の話をする。

「[……]伏黒じゃないけどさあ、結局助けられる人間なんて限りがあんのよ。私の人生の席……ていうか……そこに座ってない人間に、私の心をどうこうされたくないのよねー。冷たい? ま、あんたみたいに、自分で椅子持ってきて座ってるやつもいるけどねー。[……]」

 虎杖が宿儺の指を取り込んだことが様々な事件の引き金になっていることを、伏黒は虎杖に、虎杖は伏黒に、気づかれまいと思う。そのことを知れば、相手は自責し傷つくだろうから。自分は耐えられても、相手に傷ついてほしくない。相手が傷つかないでほしいから、自分は平気でなければならない。

 用意された椅子か、持ってきた椅子か。その椅子は、あってしまえば抜き難い。