行き止まり

『ワンピース THE MOVIE デッドエンドの冒険』

 5作目『呪われた聖剣』の製作発表で言われていたことには、「4作目までは『TVにあるワンピースを劇場でも』だったが、今作は『TVにないワンピースを劇場で』」。ここに5作目以降の方向性が打ち出されたわけだが、なぜこのような方向の転換を強いられたのかというと、4作目がそれまでの『ワンピース』のひとつの到達点だと言われた評判のためで、製作サイドもそれ以上の新しい価値を付加していかなければならないという思いがあったのだろう。
 その4作目が『デッドエンドの冒険』。評判どおりに普通に面白かった。よく出来ていると言えばよく出来ている。しかし劇場版だということを考えたとき、変にまとまってしまっているというきらいがある。そこが「TVにあるワンピースを劇場でも」と言われた所以だろうが、この方向で進んでもまだまだ面白くなる余地があるのではないかと思わせる。その後の劇場版は方向転換をすることになったというのは上に述べたとおりで、それは決断として間違っていないと思うので、TVスペシャルの方でやってくれれば構わない。
 もう朧になった記憶を辿ると、2作目のほうが面白かったような気もする。